「@ff第20回記念あおもり映画祭」開幕宣言

  未曽有の被害を出した3・11東日本大震災。言葉を失い、胸が押しつぶされそうな日々でした。実行委員メンバーの中にも被災者がおり、また被災地の想像を絶する惨状に、今年のあおもり映画祭の開催は中止するか、大幅な延期を考えておりました。
 震災から3ヶ月。私たち自身も経済的な二次災害に見舞われている中、現在の社会情勢を考え、むしろ映画の底力を信じて「がんばろう東北」を伝えたい。東北の美しい風景や独特の風土、映画を通じて元気な東北を取り戻そうというメッセージを、積極的に発信したいと考えました。今、被災地である東北の中で映画祭を開催できる環境にあるのは、現状私たちだけかもしれません。十分な準備ができなかった状況下ではありますが、従来の運営スタイルは無理でも「いま、私たちにできること」の覚悟を持って開催したいと存じます。

 20周年の記念すべき節目の映画祭として、オープニングとクロージングの上映会を(社)青森県観光連盟との共催で、大型観光キャンペーン、青森DC(ディスティネーション・キャンペーン)の会期中に開催する計画でした。この当初の日程を前期(PART1)とします。
9月3日の「あおもり映画祭の設立記念日」に20周年記念パーティーを予定していたことから、開催準備が遅れた企画を8月下旬〜9月に後期(PART2)として開催いたします。
青森県内でのロケ作品が相次いでいる中、3ヶ月という長期間に渡る「第20回」になりますが、震災の影響のマイナスをプラスにするために、DC期間中だけでなく、青森県の映画を紹介し、東北復興祈願のメッセージを発信し続けたいと思います。

 会場ではゲストの皆さんにも参加していただき、ご来場者に義援金を募ります。有料の会場は義援金付きの入場券といたします。華々しいセレモニーはいたしませんが、映画愛と地域のチカラを信じて、「がんばろう東北」の旗印の下、「@ff第20回記念あおもり映画祭」を開催いたします。映画ファンの皆様の温かいご声援をよろしくお願い申し上げます。

 今回のテーマである「オメガ&アルファ」とは「終わりと始まり」を意味します。20年間も、民間の映画ファン手づくりの映画祭を続けて来れたことは、「奇跡」です。今日この場にいない全国に散らばった多くの実行委員の皆様、20年前からご支援いただいた日専連ホールディングス様始め、ご協賛いただいた皆様、ご後援をいただいたマスコミ各社の皆様、映画祭を影で応援して下さった映画館関係者の皆様、そして何より参加して下さったお客様に支えられて、続けて来れたことを、心から厚く御礼申し上げます。

 思えば、青森市文化会館で2000人を集めた上映会もありました。一方で8人しか集まらなかった上映会もありました。しかし、多くの人の心に、映画祭という非日常性的な時間、空間を共にし、同じ時代を共有できたことは、何事にも代えがたい財産です。

 あおもり映画祭の歴史は、20年目の今年を持って、一度幕を閉じます。しかし、終わりは始まりでもあります。開催時期を、現在の6〜7月に設定してしまわずに、一年中、県内のどこかで、新しい「あおもり映画祭」が始まると思っていただければ幸いです。

 東日本大震災の後、人々の心は大きく変わりました。私たちの映画祭のスタイルを維持することが大切なのではなく、カタチにこだわらず、映画の持つチカラで、お手伝いできるところに出没したいと考えています。
被災地でボランティア活動している映画人がいます。被災地で上映活動している映画館関係者もいます。また、全国の映画祭関係者からも「何か一緒にできないか」と多数呼びかけをいただいています。これから何ができるか、ひとつひとつ考えて行きたいと思います。

 そうした現在の社会情勢を考え、映画愛と地域のチカラでできること、また青森県から東北の元気を発信できるよう、不器用ですが、一つ一つの上映会を重ねて行きたいと存じます。 20年間、ありがとうございました。そして、これから始まる新しい「始まり」にもご支援いただけますよう、心よりお願い申し上げます。


@ffあおもり映画祭実行委員会 本部事務局代表 川嶋大史